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善光寺を開創して15年を閲しました。ゼロからの出発ではありましたが、法輪轉ずるところ、食輪自ら轉ぜられております。これ正に佛天の御加護と大方の諸大コ諸賢の御協力御支援の賜と感謝にたえないところであります。
宗祖を通して釈尊に還ることが私の宗教生活の帰趨とするところであり、この信念が私をして佛舎利奉拝日本一週行脚、インド佛蹟巡拝、そしてタイ国留学に駆り立て、更には欧米人と参禅を共にすべくアメリカへ向わせたのであります。そしてこの間に頂戴した尊い佛縁が、私の今日をあらしめる土台づくりとなったのであります。
いまや人類は宇宙時代に入り、時間的にも空間的にも距離は著しく短縮され、世界はあたかも一国の観を呈しておりますが、反面、人類はかってない不安と絶望の危機に見舞われております。これは明らかに現代社会の悲劇であり、今日ほど佛陀釈尊の教法宣布を必要とするときはないのであります。
しかるに、わが国は世界最大の佛教国でありながら佛教界は遺憾ながら、世界の大勢に即応して教化の実を挙げる態勢に欠けております。ここに海外生活を通して広く世界に活眼を開く人材育成の重要性を痛感するものであります。
よって善光寺は開創15周年を期して報恩行の一端として、海外に留学僧を派遣し、人材の育成をはかり、もって、佛教を振興し、世界の平和、人類の進運に寄与せんことを願い、海外留学僧派遣育英会を設立するものであります。
昭和59年1月15日
宗教法人 成寿山 善 光 寺 住 職
横浜善光寺留学僧育英会 理事長
黒 田 武 志
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