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成寿 第37号 〈国際レポート・ドイツ〉
開眼法要の記


大本山総持寺講師 山 口 晴 通

  平成十八年九月十日、ドイツ・アイゼンブッフの大悲山普門寺におきまして、中川正寿主監の、住職就任式が挙行されました。
  これに先だち、先代方丈さまは、中川主監に、心温まる祝意を表されると共に、普門寺さんのために、数々の仏像をご寄進なされました。
  その中に、子安地蔵菩薩と聖慈母観音菩薩の二体のご尊像がありますが、誠に残念ながら、この二尊菩薩の開眼供養(所謂、魂入れのご供養)を果たされることなく、平成十六年十二月二十九日にお亡くなりになられました。
  したがいまして、二尊菩薩の開眼供養の導師は、現在の善光寺方丈さまが、挙行なされて当然であります。
  しかし、方丈さまはご謙遜なさって、先代方丈さまに代り、私に開眼法要の導師をせよとのご依頼がありました。
  そこで不肖、私がお務めさせて頂いた次第です。その折、お唱え申し上げた「奉読文」は左記のごとくです。

  開眼供養香語
   山門此の日
   大悲山普門寺晋山上堂の吉辰
   謹んで 子安地蔵菩薩 聖慈母観世音菩薩の開眼法要を嚴修せんと欲す
   省みれば 右二尊菩薩は
   善光寺二世中興大圓武志大和尚
   普門寺の仏法興隆禅風挙揚を念願して親しく当山に寄贈せる者なり
   今ここに
   善光寺現住博志高和尚に随い
   先住大和尚に代りてその生前中賜りし数珠を奉持し、かつ
   先住大和尚愛用の九條の袈裟を拝借し
   二尊菩薩の開眼法要に臨まんと欲す
   伏して願くは
   大圓武志大和尚
   真寂定中 此の盛儀を照覧せられんことを
   這裡 慶讃底の那一著 如何んが敷宣せん
   咦
   萬里縁を開く無尽の願い
   二尊の菩薩三千を照らす
   尚享
(原漢文)

「平成十八年九月十日、ドイツ大悲山普門寺晋山式の吉日にあたり、私は子安地蔵菩薩と聖慈母観世音菩薩の開眼法要に望まんとしております。省みまするに、右の二尊菩薩は、善光寺二世中興大圓武志大和尚さまが、ドイツにおける普門寺の仏法の興隆と、禅の発展を願って、親しく寄贈なされたものです。今ここに私は、現住博志方丈さまのお伴をして、ご先代方丈さまの代りに、ご生前中に頂戴した数珠をかけ、また、先代方丈さまが特に愛用なされた、尊いお袈裟をお借り申し上
げ、二尊菩薩の開眼法要に臨まんとしております。どうか、先代方丈さまには、この素晴しい儀式の模様を、はるか兜率天の世界よりご覧下さいますように。この式典にあたり、私は、もはやこれ以上の言葉はありません。
結びにあたり、詩の断片をもって、私の気持を表現させて頂きます。
広く万里の彼方にまで、ご縁を開かれた、先代方丈さまの、偉大なるご誓願と共に、二体のご尊像は、普ねく三千世界を照らし給うことでしょう。」
(原漢文の抄訳)

  この日、空には一片の雲もない好天に点まれ、多数のご寺院さま、内外ご信徒の皆さまに見守られながら、式典を無事に円成することができました。
  善光寺方丈さまをはじめ、関係各位の皆さまに厚く御礼申し上げます。
  有難うございました。

成願寺合掌

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