成寿一覧表

成寿 第37号  胡建明師の学位(博士号)授与式に参列して

駒澤女子大学 教授/第六回善光寺海外留学僧 安藤 嘉則

  今年六月二十八日、中国の南京芸術学院において第十一回善光寺海外留学僧の胡建明師の学位授与式に参列させていただきました。
  胡師は天童山の僧でありながら、来日して東京大学で仏教学を学ばれ、その後ハンブルグ大学、東京芸術大学、南京芸術学院の各大学院で研鑽されました。また日本滞在中に永平寺前監院の南澤道人老師の弟子として大木山永平寺でも修行をなさっておられます。このように行学兼備しかつ日中の叢林に参じた学僧は他に例を見ません。
  さて、このたび胡師は南京芸術学院に博士論文「日本に伝来する宋代禅僧墨蹟の研究」を提出し、美術学博士の学位を授与されました。
  学位授与式当日の朝、ホテルから二人で授与式会場へ向って歩いていると、ふと胡師が赤いネクタイを私に示して「これは黒田方丈さまのネクタイです。方丈さまと共に授与式に臨むつもりです。亡き方丈さまには本当にお世話になりました」といわれました。その言葉に私は大変感銘を覚えました。授与式では胡師は角帽にガウンというスタイルとなり、学長より学位を受けました。
  その後胡師と私は広東省広州市へ向い、「菩提達磨と禅宗文化」の国際学会に参加しましたが、その後中国の全国新聞『中国民族報』の「宗教周刊」(九月六日号)で、胡師と私の二人の研究発表がとりあげられ、レジュメが掲載されました。
  私も第八回の善光寺育英生なのですが、こうした国際学会という舞台で善光寺の留学僧が二人で研究成果を示すことができたこと、亡き黒田武志老師が築かれた育英会の一つの成果として改めて報告させていただきます。

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