成寿一覧表

成寿 第39号 〈開山忌〉
開山忌 並大圓武志大和尚報恩供養

平成二十年二月九日、善光寺釈迦殿での皆様のご挨拶を紹介いたします。


大いなる誓願のもとに - 光真寺住職 黒田俊雄老師 -
  大変お忙しい中、お集まりいただき本寺としてお礼を申し上げます。日頃、博志住職には皆さまの温かいご支援をいただき、白純大和尚、武志大和尚のその寺門に関しまして厚くお礼を申し上げる次第でございます。曹洞宗は生活の 一挙手一投足がすべて仏道に通じることが理想と説かれています。生活を大切にするのが曹洞宗の教義であります。今日、開山忌の法要で、私の師匠である白純老師に報恩の気持ちで導師をさせていただいたことを大変ありがたく思っています。曹洞宗が一万五千の寺を持って、宗門の中でも一番大きいのは、やはりこういう高祖さまの大いなる誓願のもとにあることをありがたいと思うわけです。
  殊に、武志大和尚のこ親友であります大乗寺山主の東老師にご来山をいただき、その点眼式をしていただいて、報恩に報いるという心情は曹洞宗の人即仏法、その宗旨に則った尊い情業だと感じました。
  私は学生時代、西田哲学に傾倒したり、また般若道場というところでこの先生に教えを乞い坐禅をさせていただいていました。その先生も、「六十歳になったら諸国巡行の行脚に出たい」 とおっしゃっていました。今年は私も白純大和尚が亡くなった歳になりました。二月四日に亡くなりましたから、もう幾日か師父白純大和尚より長生きさせていただいています。これも白純大和尚と皆さまのお陰と感謝申し上げます。 私も早くより自分を捨て人のために尽くさせていただきたいという願心を起こしましたが、なかなか叶いません。
  それに引き換え、この若い博志住職は武志方丈の残した留学僧育英会を再開するといいます。 結婚したてなのに、そういう発願をされています。法語の中でも申し上げたありがたいご縁です。大乗寺の山主さまのこ法語にもありましたように、特に武志方丈は世界を股にかけて仏法を興隆しようと発願実践したあの気概は弟ながら、敬服感服まことに立派でした。生前は、仲よくともに歩んだものでした。
  博志住職もまたこの誓願を興し、留学僧育英会を再開するということは最高の親孝行であり非常にうれしく、心から敬意を表します。また、檀家の皆さんにはそういう住職を、どうか、見守っていて、寺の興隆とともに、仏法の興隆のためにもご奉仕くださるよう心からお願いをいたしまして本日の挨拶と代えさせていただきます。


善光寺の持つ意義とともに - 大乗寺山主 東隆眞老師 -
  ご指名でございますので、ひとこと、ごあい さつを申し上げます。ただいま、ご本寺の黒田 俊雄老師の力あふれる、お言葉を頂戴しました。本日は胡建明さんのお描きになったこ当山の二世中興大圓武志老師の頂相ができまして、皆さまもご覧になっておわかりの通りですが、実によく先代さんの風貌を表わしていると思います。立派なものができまして、それに言葉を添えよ ということでございましたので、しばらく考えてて、考えて、考えまして、書かせていただいた ようなことですが、本日はその頂相の点眼を行うので、来るようにということで、参った次第でございます。
  こういう頂相を「真」と言います。写真とい う言葉がございますが、あれはきっと真を写す、その人の真実を、真心を写す。それが写真です。 これは禅から出た言葉であると私は思っていま 頂相は誠によくできています。胡さんも人知れずご努力なさって、これを描かれたことだ と思います。こうして拝登いたしますと、ご本 寺の黒田俊雄老師、桐ケ谷寺の方丈さま、山口 老師、新美老師ほか、いつもお目にかかる方が ここに集まっておられます。先代の奥さま、檀 家総代の方々、そのほかいろいろな方々の、懐 かしい方々のお顔を拝見しまして、そのうち黒田さんが、やあやあとにこにご顔で手をあげて 出て来そうでなりません。本当にありがたいこ とだと私も思っています。
 思うに先代さんが遷化されて三年が経ちます。 この前も申し上げましたが、私は、迷うことが あると、「あの人に電話をかけてみようかな。い や、待てよ。あの人はもういないんだ」と自問 自答するということもあります。
 私はそれを継いだ博志住職がよくやっている と思います。先代の黒田さんも目を細めて見て いるのではないかな。きっと見ていると思いま すが。三年経って、さらにこれから正式に住職 に就任される。また、おめでたい話もあります。 また、二、三年経って、いよいよこの善光寺を 先代さまのご遺志を受け継いで、さらにさらに 発展させていただくと。
 なお、先代さまのお言葉、やっておられたこ とを振り返り、振り返りしながら、徹底的に先 代さまのお気持ちを、ぜひぜひ、受け止めてい ただいて、失礼ないい方をすれば、まだまだお 師匠さまの気持ちを受け止めていただくこと、そっくりそのまま受け止めていただいて、そう して、それがだんだん博志住職のお人柄とお力 によって、自然に大きく広がっていって、善光寺の宗教的な意義というものが、このお寺の持 つ意味というものが、さらにさらに大きくなっ ていくことを期待しまして、ごあいさつの言葉 に代えさせていただきます。
 まことにありがとうございました。


先代の遺志を継いで  - 檀家総代 熊谷豊太郎 -
 寒いところ、大勢の方が遠くからもご列席い ただき誠にありがとうございました。厚く御礼 を申し上げます。
 先代方丈さまが遷化されて丸三年が経ったわ けですが、「去る者は日々に疎し」と言いますけ れども、方丈さまの偉大なるお人柄については 皆様ご存知のはずと思います。未だに私の心の 中に方丈さまのお姿が住みついています。広い 知見の持ち主でしたし、洞察力、企画力、実践 力、行動力、すべての力の備わったお方であり、すべての人に平等に手を握り、頭を下げ、非常 に慈悲深く、そして、いつも感謝の念を忘れな い。ありがとうと言っていました。そういった 立派なお人柄が私の脳裡からいつまでも離れま せん。まず、離れることはないと思います。
 そんな素質を現住職も受け継いでおるようで ございます。見た通りの立派な青年住職として、善光寺を背負っているわけでございます。今日、先代がここに描かれておりますが、懐かしく拝 見しながら法要に臨んでいました。留学生育英 会の再開も今年から始めるなど、立派に先代の 遺志を継いでいます。また、先代と違った新し い感覚の、今の時代にふさわしい、いろいろな 催しを考えています。そして、以前にもまして 多くの檀信徒の方々が、法要の度に埋め尽し釈 迦殿がぎっしりと立錐の余地もありません。本 当にありがたいことです。これからますます住 職が大成されることを、祈念しています。
 本寺の御前さまと先代が生前に最も親しかっ た東ご老師に導師をお勤めいただき、白純大和 尚さま、武志大和尚さまはさぞお喜びになって いると思います。
 もう一つここでお話しておきたいことは、目 の前におられます先代夫人倫子さまのことです。 東老師の追悼文の中にあったことを記憶してお りますが、三十数年にわたってこの善光寺を先 代と二人三脚で築いてきました。この善光寺を つくりあげてきたことを先代は生前、私にしん みりと「倫子がいなかったら、善光寺はなかっ たよ」と話をしておりましたが、今、頂相を見 て思い出していました。今日善光寺を支えて、今の住職を育て上げられたということだと思い ます。ご遷化される時も安心されて、安らかに、ほほえんでおられたと聞いております。
 私も時折善光寺を訪れて先代のお位牌の前で 時を過ごすことがございますが、本日の法要は 白純大和尚さま、武志大和尚さまが親しい方々 のお集りを喜んで見ているのではなかろうかと 思います。


善光寺の原点としての開山忌      - 善光寺住職 黒田博志 -
 本日は開山忌ならびに師父の報恩供養にお詣 りいただきまして誠にありがとうございます。 開山忌のこ導師は本寺御前さま、昨年の暮れで 師父の遷化より丸三年となります。昨年釈迦殿 とあちらの不動殿の間に新しく観音さまを安置 しました。その際光真寺さまにご命名を賜わり、開眼のご法要をお勤め頂きました。以来、ほほ えみ子安観音さまにお詣りすると癒されにこや かになれるということで、ご参詣の皆様が必ず お詣りなされている様子を拝しますと、とても うれしくなってきます。なにもかも御前さまの お蔭です。本当にありがとうございます。
 また、報恩供養では、師父の、頂相開眼のご 法要をお勤めいただきました大乗寺山主東老師 さま、本当にお忙しい中、ありがとうございま した。この頂相は留学僧育英生でありまた書家、博士号をもつ胡先生がお描きくださっています。 頂相の上部に賛といいましてそこの部分に添え 書きがございますが、この賛は師匠を讃えてく ださるお言葉です。一幅は光真寺の御前さまに、また一幅は東老師さまにいただきました。只今 の法要を持ちまして美事完成の運びとなりまし た。東老師さまは金沢大乗寺の山主さまであら れまして、本年は開山義介禅師さまの七百回御 遠忌の最中に在り、本当にお忙しいお方でござ います。善光寺では昨年、この名刹大乗寺に六 十名を超える檀信徒の皆さまとお詣りさせてい ただきました。その節、手厚くお迎えいただき、檀信徒の皆さまも本当によい思い出になりまし たことをこの場を借りて深くお礼申し上げます。
 また、私ごとになりますが、この五月結婚の 運びとなりましたが、その式師は東老師さまに お勤めいただくことになっています。お導きを よろしくお願いします。また、本日ご随喜いた だきましたこ寺院様方、そして役員、総代、檀 信徒の皆さま、本当にお忙しい中、誠にありが とうございます。
 この開山忌の位置づけは、師父が最も大切に、また、特別な思いで、勤めて参ったものです。 といいますのも、師匠が善光寺開創以来申して おりました、「『宗祖を通して釈尊に還る』の思 想はこの開山忌が原点なんだ」と何度か私に語っ たこともありました。
 今年の九月からは育英会の募集を再開いたし ます。今後ともご指導賜りますよう、深くお願 いいたしまして、本日のご挨拶とさせていただ きます。
 誠にありがとうございました。

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