成寿一覧表

成寿 第40号 ■特集 〈善宝寺参拝旅行〉
山形 善宝寺参拝旅行
6月16日〜17日


善光寺行事報告⇒
 黒田博志住職以下総勢四十一人の善光寺旅行会一行は、六月十六日から一泊二日の日程で「善寳寺参拝の旅」を行ないました。龍神守護の霊場として知られ、全国に多くの信者を持つ大祈祷道場であり修行道場の善寳寺から、「閑さや巌にしみ入る蝉の声」の芭蕉句碑が建つ天台宗の古刹、山寺立石寺を回っての旅でした。

《第一日目》

斉藤老師より親しくご法話をいただきました





ご住職 斉藤信義老師をご導師に、大般若祈祷をお勤めいただきました



東北屈指の名刹・善宝寺の大伽藍

竜王殿の絵天上↑
← あの噂の人面魚


出羽三山神社(上)↑や山居倉庫(下)↑などの山形の観光名所を見学


斉藤老師を囲み、湯野浜温泉「いさごや」で会食


《第二日目》


天童市山寺「立石寺」参拝



古刹善寳寺参詣と山形の旅     - 善光寺旅行会団長 熊谷 豊太郎 -

 六月十六日、早朝黒田住職以下男性二十二名、先代住職倫子夫人他女性二十一名計四十三名。
羽田空港より、]路庄内空港へ。庄内平野は、全天、青の世界。早速保春寺大八木ご老師の温かい出迎えを受け、約三十分のち鶴岡市内へと。
いかにも空港敷地内に位置するような龍澤山善寳寺へと導かれる。寺は延慶二年(一三〇九)、大本山総持寺の二祖である峨山禅師が開祖として開く。供養と祈祷の寺。また求道と修行を実践する専門僧堂として過去幾多の名僧、高僧を輩出。現在十七名の雲水が修行に明け暮れる。
ここ龍王殿には龍神様がお祀りされ、ご祈祷、祈願のご利益あらたかを希う。漁業、海運関係者の信仰が篤い。西の琴平金比羅さま、北の善寳寺龍神さまといわれる所以です。域内には龍神さまが身を潜めたといわれる貝喰の池。かつて人面魚の棲息で話題沸騰。全国にその名を馳せる。時折人面魚が愛嬌をふりまき、みなさん悦び拍手喝采。
 彼の藤沢周平氏の小説「龍を見た男」にも登場。また「善寳寺物語」と謂う作品もあるそうで、近々完成する藤沢周平記念館でも紹介されるとのことでした。一行は数百年の杉巨木を背に、高さ三十八を超える「魚類一切供養塔」と称する五重塔を仰ぎながら水屋で身心を清め、いざ山門をくぐる。さらに九十六の石段。登り詰めると、そこにはおいかぶさるように本堂感応殿が広がる。静寂に包まれ引き寄せられるように本堂へ導かれ、やがて一行は心静かに順々と着座する。
 正面にご本尊を祀る荘厳華麗な祭壇のもと、左右に僧衣鮮やかな大勢の僧侶。檀信徒代表の請い願う諸々、そのご祈祷を粛々と、斉藤信義ご住職のこ導師によって、厳修賜ることができました。のち奥の院神霊殿に参拝。悪無く所定の供養祈祷会を終了することができました。
 間もなく信徒会館に案内され、見事な座布団が並ぶ大広間。斉藤山主さまのもとお茶の接待をいただく。茶席でのこ法話。『慈悲の坐禅を生きる』という狸下のご本より。銀難辛苦のこ修行時代、寒行托鉢の最中、おばあさんに手をにぎられ、その両手で包んでさすって温めてくれた、あの手のぬくもり。これこそ感応道交。
師の今日、原点となっている「慈悲心の尊さ」について、真の宗教とは経典ではなく、仏行の実践だと熱くお話くだされまして、ありがたいことでした。
 斉藤信義視下は善寳寺四十一代目のご住職を兼ね大本山総持寺副貫首に在り、また仏教の国際交流に貢献する事業として成寿山善光寺留学僧育英会の名誉顧問として当初より関わっていただいております。この度、私共のこ訪詣には、自ら指揮。全山挙げての歓迎を賜わった次第です。また先に空港にお出迎えいただいた大八木ご老師は大圓武志大和尚と駒沢大学同期生であり、知己の間柄。善光寺にはよくお運びいただき、お世話になっています。一行を是非にもと保春寺にお招きいただきましたが、時間の都合で参詣できず、保春寺門前通過中のバスの中よりお詣りさせて頂き、合掌低頭。ご住職は門前にて大きく手を振りお応えくださいました。ご老師は善實寺の寺務の役割も兼ね、ご多忙のなか終始温かいおもてなしやお心遣いを賜わり、厚く厚く御礼の次第です。一行は駆け歩き、出羽三山の一つ、羽黒山神宮へとすすむ。日本最古といわれる五重の塔をのぞみながら、三神合祀殿に拝登。ここ羽黒山は古来、全山古修験場として夙に有名です。
 さらに酒田市へとバスは向かう。北国と西国問の貿易、いわゆる北前船で日本一の豪商といわれた本間様の旧本邸を訪ねる。「本間様にはなれないけれど、せめてなりたや殿様に」。随所にその面影を観ることができました。そのすぐそばに「おしん」で有名な山居倉庫。船着き場や米倉庫を散策しながら、遠くを偲んでおりました。第一日目の旅程もこれにて終了。
 やがてバスは陽の傾くころ、湯野浜温泉へと向かう。場は日本海を一望できる最景勝地。露天風呂で疲れと汗と埃を流しながら極楽極楽の気分。身心共にすっきりと致しました。
 宴席に突然の吉報。睨下様がご臨席くださるという。三筋の川並びをコの字型へと変更。異例ともいわれるご臨席のなか開宴。】行の喜びも最高潮。なんともありがたいことです。猊下は実に穏やか。寺院で観る龍の幡る凛々たる気碗は、すっかり消えて終始和やかなご容姿。御年九十一歳。「私はネェ、宴会はみなさんが楽しんでいるから好きなんですヨ」とおっしゃる。「私がここに坐しているのは、大圓和尚の功徳なんですよ」といわれ、ここでもまた改めて、大圓さまの庇護のもとに在る檀信徒一行、そのお蔭に唯々感謝合掌でございました。
 翌十七日は通称山寺、宝珠山立石寺に向う。
参詣者は千十五段の石段を登り、奥の院へ。また別組はこの山寺で吟じたという「閑けさや巌にしみ入る蝉の声」の名句、芭蕉会館を訪ね、昼ごろ追い追い山荘へと集結。たのしく山菜料理をいただく。席々懐かしい陣中見舞いのお方。
山形市・高松寺住職、福田孝雄ご老師とそのご子息、智昭さん。善光寺とは、とてもご縁深きお方。皆さんも再会をよろこびながら、短い時間の忙しい懇談でした。やがていよいよ最終コース。みなさん楽しみにしていた「さくらんぼの喰い放題」。いまが旬。鈴なりに熟れた大粒をむさぼり、ほっぺたまで赤く熟し顔。流石天下の「佐藤錦」でした。充たされた善男善女、満足して山形空港へと急ぐ。定刻羽田空港へ。
想い出を胸に最高のフライトでした。二日間すべて順調。なにひとつ障りなく護られての旅でした。殊に宗派の頂点、斉藤狙下よりのお持成し、大八木ご老師、福田ご老師方の篤いご縁は、これすべて大圓武志大和尚のお計らいと思召し、ほんとうにありがとうございます。またこのたびは大圓和尚令夫人もご参加。蔭に陽にお心配りを下さいました。
 また旅行社の小林課長さんの細かい気配りにも感謝です。いまこうしてペンを執りながらも想い出尽きず、内容の濃い充実感に充ちたこの度の旅行でした。ありがとうございました。


山形旅行 雑詠     - 善光寺護持会会長 国廣 敏郎 -

  庄内空港に下り立って、早立ちの眠気がいっぺんに覚めた。北に残雪輝く鳥海山、遙か南方に羽黒山、月山、湯殿山の出羽三山。磐梯朝日国立公園である。
「鳥海の 雪渓まぶし 最上川」
「ありがたや 三山神社の 雲の峰」
 日本海の夕日が拝めるという。宴会を中座して海岸に駆けつけた。
「夏の雲 映える落暉の 日本海」
 芭蕉句碑のある立石寺の小広場から見上げる千百段余の参道もほんの途中までしか見えない。あとは万緑と岸壁の中に消えている。
「青嵐 ひたすら登る 磐の道」
 最後は天童でさくらんぼ狩りを楽しむ。手のとどかぬ梢の先の方に宝石のようなさくらんぼがびつしり。
「仰ぎ見る 夢一杯の さくらんぼ」

善寳寺参拝の旅に参加させて頂いて     - 稗田 妙 -

 三月も終わりのある日、横浜市在住の弟から「善寳寺参拝の旅」の知らせが飛び込んできました。待ってましたとばかりに是非参加の意を伝え、即、神戸の姉にも連絡し、その日の来るのを待っていました。
 送っていただいた行程表にワクワクしながら機上の人となり、晴れわたった青空のもと、庄内空港に着き、鶴岡市龍澤山善寳寺にお参りとなりました。
 立派なお寺、全山伽藍をなすというか壮大さに驚きの目を輝かせ、ご案内の言葉に耳をそばだて、ありがたくお参りさせていただきました。
 荘厳な大法要・ご祈祷にひたすら身も心も洗われる感動にひたり、仏のありがたさに全身を包みこんでいただいた思いでありました。
 斉藤副貫首様のこ法話、さらに宴席にまでお出ましになられ親しく接して下さったお姿に、感謝の気持いっぱいです。
 今はこの気持を忘れずこれからの人生に副貫首様の著書、尊いご本を読ませて頂き、生まれてよかった、生きていてよかったという思いをさらに大きく、意義ある日々を過したいと心に誓ってお礼の旅とさせていただきます。
 ありがとうございました!
合掌

オーラとご利益を感じた山形の旅     - 堀 貴子 -

 今流行の「オーラ」「霊感」、幸か不幸か、私はこれまで見たことも感じたこともない。しかし今回山形の旅は、何度もこのオーラを感じ、鳥肌の立つ経験をしたのです。これが神仏の発する霊妙なのか、私の肌が感応したことを覚えます。
 曹洞宗大本山総持寺副貫首斉藤老師様の行往坐臥あらされる古刹善賓寺。凛として、静けさの中に力強さを感じる、立派で上品で荘厳な寺でした。
 斉藤老師様は、私達の待つ本堂へ風のように瓢として現れ、ゆっくりともの静かな動きの中に、九十一歳とは思えないパワーを発散。鈍感な私でも鳥肌が立つオーラを感じるのです。私はそのお姿を拝見し、限りなく近くへと、坐する場所を何度もずらしていたのです。
 読経の後、お茶席へと案内されました。お茶を滝れて下さる雲水の方々、その立ち居振舞い、見事です。碗を持つ手、指の先、布巾の運びしぐさは、ゆったりと流れるようにどこにも無駄がありません。実に美しい。私はただうっとりと見惚れてしまいました。
 やがて寺を後に、落陽日本一と名高い湯野浜温泉「いさごや」へ。わあ〜温泉だあ〜。うれしい〜。窓から飛び込む日本海。温泉に浸りながら太陽を拝む。天空より海へと沈みゆく夕陽。こんな贅沢な時間を過ごせていいものか、ただただ感謝し手を合わす。
 さあ宴会。美味しい食事に少しばかりのアルコール。いい気分です。
 父がマイクを手にカラオケ三昧。はずかしいやら心配で見ていられないのです。今回も父と一緒に参加させていただきました。皆様から親孝行娘とホメられる。これは私の役得。母亡きあと、寂しい父が気になるのです。うれしい勘違いをしていただいて、有難うございます。
 楽しい時間は過ぎるのが早い、斉藤老師様程なくご退席のとき、格段そのままに見送りなきようにとのご配慮。私はその後姿を遠くから、動くオーラに手を合わせ、全身が吸い込まれそうで、涙が出てしましました。
 二日目は蝉しぐれのなか山寺「立石寺」へ。石段千十五段を奥の院まで。私は若い方なので余裕があると思ったのが間違いの元。辺りを眺める余裕などありません。私より年配の方々にも追い越され、スタートの時、後ろを歩いていたはずの父にも追い越される。父の元気さに安心する一方、自分の衰えを痛感した次第です。
 三十分ほどで、奥の院へ到着。達成感で一杯でした。仏前にお線香をたむけ、母の浄土と父の健康を願い、そして少しばかり自分の都合のいいお願い事もしてしまいました。きっとご利益はあるでしょう。帰りは胸をはっておしゃべりをしながら楽しく、アッという間でした。
 さらにさくらんぼの食べ放題という果樹園へ。甘く大きいさくらんぼを一杯頬張ることができました。帰りは高級佐藤錦を両手にズッシリ買い求め、機内へ。楽しかった刻々、とても密度の濃い経験をさせていただきました。
 次回は父のカラオケも上達、私はさらに仏教の尊さに埋没してゆくことと思っています。有難うございました。


佛縁を想う     - 横浜やすらぎの郷霊園所長 伏見 邦弘 -

 佛縁の旅に参加させて戴き、三度目となりました。
 私と大圓武志方丈とは幼稚園からの同窓。六十有年の間柄です。
 成寿山善光寺との関わりは、武志方丈と倫子さんとの結婚式に始まります。四十年余り前でしょうか。
 しかし、或る期間勤めの関係で、佛縁など凡そ途切れてしまいました。
 そんな或る日、突然の電話。「お前、生きとるか。よかった。実は霊園を建設している。明日、関連の開発会社と石材組合との会議があるのだが、出席願えないか。できれば霊園の応援を頼みたい」と。私が第二の人生を踏み出して聞もないころのことです。すべて一方的。
 自前の霊園を持つことは、それこそ一大事。
方丈には否といえない知己。言われるままに承知。無能、微力の者ですが、お役に立てるのであればと引き受け、第二の人生が始まりました。
 無我夢中で手探りの日々。早いものです。あれから十一年、やすらぎの郷と共にあります。
 これも佛縁。開園時の若木も今は欝蒼と茂り、草花も四季折々に霊園を彩り、参拝者の方々に癒しと安らぎを与えております。
 順々と第二次、第三次拡張工事も済み、方丈の理念に基づくやすらぎの郷は、落ち着きのある霊園に成長して参りました。
 この度、山形への旅では是非にもお逢いしたい方がおいででした。善寳寺の重鎮、保春寺住職の大八木老師。庄内空港に降り立つと、早速お出迎え。多忙な方なのに、早朝より何ともありがたいやら、びっくりするやら……。檀信徒一同、大感激でした。
 善寳寺はまさしく東北の最古刹。大本山総持寺副貫首でもあります斉藤信義住職自ら導師を戴き、法要を賜わりました。誠にありがたいことです。
 副貫首様は善光寺育英会の名誉顧問であり「育英会は世界を見据えた人材育成の会として比類なきものである。私としてもさらに支援していきたい」とのこ法話をいただきました。
 副貫首様自らのご丁重な一服のお茶をいただきながら、感動感謝のうちに退山となりました。
 夜、檀信徒の宴席にも、お忙しい中、ご高齢を押してのご臨席。武志方丈とのご縁とはいえ、誠に有難く、めったに得られない幸運。鳥肌が立つ感激をいただいたのは私ばかりではなかった。
 重々にも、大八木老師の二日間に亙るお心配りには唯々感激し、頭の下がる思いでした。
 流石、大圓方丈が心の友として久しかったことに納得させられ、私もまた友人の一人として羨ましささえ感じました。
 大八木老師の山中待ち伏せでのお見送りに、車中合掌、涙の出る思い。やがて山寺立石寺へ。
 昼食会では思いがけなく尊いお方が。今は山形市・高松寺住職、かつては善光寺にいらした福田老師と、ご子息・智昭師。元気なお姿を拝し、大拍手と合掌。旅団を労い、お土産まで頂戴し、感謝感謝でした。
 一昨年、大乗寺拝登の旅、昨年の本寺光眞寺参拝の旅、そして山形路、この間出逢った皆様方、大圓方丈との知友とは申せ、訪ねる檀信徒に心尽くしのおもてなしをいただくなど、武志方丈の佛縁と絆の尊さをこの上なく痛感した旅でもありました。
 旅が続く限り私は参加し、限りある人生を尚深く佛縁によって歩いていきたいと思っています。    拝

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